どの様な仕事もつらいと感じることはあるはずだ。つらいと感じる原因は様々で、全ての仕事にいえるものもあれば、その仕事特有のものもある。そこで、介護施設の生活相談員のつらさは何なのか、生活相談員となり5年になる友人に聞いてみた。その友人によると最もつらいのは昼食が休憩にならないことらしい。
※全ての仕事にいえる原因についてはリンク先を読んでみるといい。
生活相談員は介護士とは本来異なり、利用者や家族、福祉事務所や病院関係など施設の窓口としての役割全般を行う。そのため、毎日多数の人と関わり合いを持つことになり、介護という現場の人員不足は甚だしいためチームワークで動かないと仕事が回らないことが現状だ。そのため、朝施設に出勤する際にも1時間以上早めに入り夜勤の介護士の方と引継ぎ事項の確認する時間を作るため、介護を手伝う。ソーシャルワーカーと横文字で書いた呼び方とは異なり、実際には介護士の補助をしつつ認知症の入所者同士の揉め事の仲裁、家族からのクレーム対応から病院への連絡事項をこなす必要があるのだ。
生活相談員は手作りの食事を入所者と一緒に食べる必要があるため、昼食休憩中が実は最も緊張する時間となる。入所者に何らかの問題が発生していることを発見しやすい時間だからである。ようやく食事が終わった後は、入所者の口腔ケアを介護士だけでは手が回らないので毎度手伝うことになる。その間に鳴った電話に対応していると入所者の家族から放置したという苦情を受けることもあり、気が抜けない時間でもあるのだ。こうして、午前中から一通りの業務が終わる夕方までの間、業務を忘れて一休みする時間は実質許されていない。つまり、休憩時間は設定されているものの休憩とは名ばかりで業務の延長としてこなさなければいけないのだ。たとえ休憩時間でも気配りや手配が必ず存在していることがつらいのだと言う。
それでも入所者の笑顔を見ると何故か嬉しく感じ、気がついたらまた出勤しているらしい。つらいがやり甲斐の塊のような職種だといえるだろう。